四の講座
味の定義について

 「味」はなぜ感じるのか?、そして「味」をどう表現をするのかを、Robin流の解釈に基づいて説明をします。
   Robinの思想が含まれていますので、如何なる責任は負いませんのでご了承願います。
 とは味覚、風味、食感の三つがおりなすハーモニーだと考えています。
 味覚・風味・食感について下記の定義付けをして講座をすすめていきます。

 「味覚」とは香りを除いた、食材本来の「」のみとして表現をします。
 「風味」とは本来は、「洗練された味、味わい」の意味を持ち、使い方は、「このお吸い物は鰹の風味が効いている」とか、「バニラ風味のアイスクリーム」などですが、Robinは広義の解釈で「香り」として表現をします。
 「食感」とは歯や舌など口全体で感じる「歯ごたえ」として表現をします。


 味覚とは

 好きな料理は何ですか?その料理の「味」を思い浮かべて見て下さい?
 塩ラーメンや甘い果物など、その食品の味を頭の中で、想像できるのではないでしょうか?
 味覚とは料理の味を舌の上で味わうだけでなく、脳にも味が刻みこまれ、想像するだけで、以前に食べた味を思い出すことができます。

 味覚の正体とは?
 人は味を舌で感じ、美味しいと感じたり、まずいと感じています。
 人により好みの差があり、友人が美味しいからと言って食べてみたら、「おぃおぃ」って事もタマ?にありますよね。これは味の好みもありますが、食材の好き嫌い(ラーメンなど豚の匂いがだめとか、八宝菜のピーマンが嫌いとか)によって味が左右されます。きっと100人食べて90人以上が美味しいと感じるのであれば、美味しい基準に合格?しているのでしょうね。
 でも自分が食べてまずければそれまででしょうけど・・・。

 と、前置きはこれくらいにして、味とは口の内の、舌と上あごと喉の奥にある味蕾(みらい)と呼ばれる組織で感じています。 味蕾とは、字のごとく味を感じる花の蕾(つぼみ)のように見えます。(普通に見てもぶつぶつしか見えませんが、顕微鏡で拡大して見ると、一つの大きさが0.05mm程度の蕾が観察できます。)
 しかし、味蕾個々に味を一味(この味蕾は塩味・この味蕾は甘味等)を認識しているのでなく、食品に含まれる味の成分が、味蕾にくっつくと味蕾の中にある細胞組織のセンサーが、成分を感知してこれは甘い・これは辛い等を認識しています。
 昔(昭和50年代)、理科の授業で舌の上には味覚地図があり、「先端は甘みや辛味、中央は塩味、その両脇で酸味、舌の奥では苦味を感じる」と習いましたが、上記のように味蕾がそれぞれの味を感じているため、この味覚地図の考え方は間違っているのです。

 味の五味について
 味は味蕾で感じ認識していますが、その種類は判りますか?

 答えは、甘味・塩味・酸味・苦味・旨味(うまみ)の五味です。
 甘味の代表格はやはり「砂糖」でしょうね。
 塩味の代表格はやはり「塩」ですね。
 酸味の代表格は成分的には「クエン酸」で、食品で言えば「レモン」でしょうか?
  これ以外に、発酵食品のヨーグルトや腐敗菌による酸味があり、人は酸味には比較的敏感です。
  Robinは結構酸っぱがりです。
 苦味の代表格は食品で言えば「ピーマン」でしょうか?
  ピーマンの苦味は子供たちの嫌いな食品のベスト3に入ってますよね。
  それ以外に、毒性のある食品や薬品にも含まれています。
 旨味の代表格は成分的には「グルタミン酸ナトリウム」で、「昆布」や「鰹節」などに多く含まれていますね。

 辛味について
 味の五味と上記に書きましたが、辛味がない事にお気づきでしょうか?塩味にも辛いと言う味がありますが、唐辛子などの辛さは、塩味の辛さとは程と遠く、「辛味」と味の一つとして分類にしてもよいのでは?と思われますが、実は辛味とは、味覚ではなく痛覚として、分類されます。
 ちょっと意外でしょう?

 痛覚
とは
 痛覚とは、何でしょうか?分かりやすい例えとして、ご自身の手の甲の皮膚をつねってみて下さい。
 痛いですよね?この感覚が痛覚です。
 食品を辛いと感じるのは、口の中に刺激物質(唐辛子等)が入ってきたとき、口粘膜に分布する神経繊維の自由神経終末*1に刺激物質が接触すると「痛い」と感じるのですが、脳へその痛みが伝わる際、その度合いにより痛い〜辛い〜かゆみを感じるのです。よく激辛のカレーなど食べると、舌がヒリヒリするのは辛いと感じるより痛い度合いの方が強いためだと思われます。*1 自由神経終末とは神経が分布している先端(表面)の事です。
 話は脱線しますが、辛い物好きの人は、熱い食べ物も平気と言われていますが、これは口腔内の神経細胞が痛みに対して強いためだと考えられます。
 熱い食べ物ではなく、辛い物を食べ物食べると、汗を大量にかく人がいますが、それは、キムチや漬物の鷹の爪(唐辛子)など、辛い食べ物が神経細胞を刺激すると、口腔内の粘膜周りの血管が拡張され火照り(温覚と呼ばれています。)が脳に伝えられ、熱い=体を冷却させるため汗を出すと言う命令が出るためです。

 まとめ
 味覚とは舌を含め、口全体で味わう感覚で、味蕾(みらい)から伝達される信号から、脳で「これは、甘くて美味しい」とか「ちょっと塩辛〜い」などと感じています。味には甘味・塩味・酸味・苦味・旨味の五味があり、辛味とは味ではなく痛みと表現しましたが、ちょっと違和感を感じませんか?
 昔、チゲ鍋を食べたとき、複雑に絡む食材の味に辛い香辛料がなんとも言えない美味しさに舌鼓を打ちました。
 チゲ鍋に限らず、カレーや麻婆豆腐など唐辛子を使った料理は、辛味がなければ味気ないですよね。
 唐辛子を使った調味料としては、豆板醤やコチュジャン等、ラー油など中華や韓国料理で使われるものや、ペッパーソースや七味など世界各国の辛味調味料があります。
 以上の事で、狭義では「辛味」は、痛みの一部ですが、広義では「辛味」は味としてよいのではないでしょうか?入れる量が多ければ、ただ口の中や唇が痛いだけですが、適量であれば「辛味」として味を認識できるためです。
 Robinは「辛味」を味としたいと思います。
 また、「渋味」もありますが、これはいわゆる「タンニン」が主な成分であり、苦味と同系の味として認識をしています。  

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