基礎の講座

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衛生学について

 清潔な環境とは
 料理を作る際、気を付けなければいけない事は、清潔を保つことです。
 汚れた食器を流しに置いたままで、次の料理を作り出す事は、すぐに不潔領域とは言えないにしても、決して清潔区域とは言えません。つまり、「新しい作業(料理)をする際は、それまでの作業(汚れた食器)を終わらせる習慣を付けましょう。」と言う事です。
 すぐに不潔領域とは言えないと書いたのは、朝食を作り使った食器をそのままにして、昼食を作り出す場合です。ただし、必ずしもそれだから安心だとは言い切れません。
 まな板を使い不潔な状態で放置し、そこに生ものを置くなんて事はもってのほかです。

 HACCPのすすめ
 HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Points)と言う言葉を耳にした事がありますか?
最近では某乳業メーカーでHACCPの取り消しを受けた等で、ニュースになりました。HACCPとは危害分析(HA)・重要管理点(CCP)(危害分析重要管理点)の意味を待ち、最終製品の検査によって安全性を保証する訳ではなく、製造において重要な工程を連続的に管理することにより、ひとつひとつの製品の安全性を保証をしていく衛生管理の手法なのです。
 この考え方を家庭に置き換え、「衛生管理の6つの手法」を実施することで「食中毒予防の三原則」が徹底され、
家庭版のHACCP(Home's Hazard Analysis and Critical Control Points)になるのです。

 必ず徹底すること
 1.手を良く洗いましょう。爪の中にも雑菌が雑菌が潜んでいるかも知れません。石鹸で洗い、流水で十分に洗い流しましょう。
 2.周りの器具を良く洗いましょう。まな板・包丁は熱湯消毒が望ましいです。ふきんは清潔なものを使いましょう。
 3.水洗いのできる食材は、良く洗いましょう。生野菜などは隅々まで洗いましょう。

 衛生管理の6つの手法

 1.購入した食材について
 ●賞味期限内に使い切るようにしましょう。賞味期限とは生食でも加熱調理でも安心して食べられる期間です。
                                           詳しくはこちらからTOPICS「賞味期限について」
 ●購入した食品は、肉汁や魚などの水分が漏れないように、ビニール袋などそれぞれ分けて包み、氷などで冷やして帰りましょう。

 2.家庭での食材の保存について
 ●.冷蔵が必要な食品は、出来る限り早く冷蔵庫へしまいましょう。冷凍食品は溶けてしまったら再冷凍せず、早めに食べましょう。冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意しましょう。目安は、7割程度です。
                                           詳しくはこちらからTOPICS「冷凍食品について」
 ●冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は、マイナス15℃以下に維持しましょう。細菌の多くは、10℃では増殖がゆっくりとなり、マイナス15℃では増殖が停止します。ただし、細菌が死滅する訳ではありませんので早めに食べましょう。 
 ●野菜など冷蔵庫で保存しない食材は、風通しの良い冷暗所保管しましょう。湿気を嫌いますので、流しの下など水周り付近に置く場合は、水漏れに気をつけましょう。              詳しくはこちらからTOPICS「冷蔵庫について」

 3.調理を始める前に
 ●台所の周りは常に清潔にしてありますか?生ごみは捨ててありますか? タオルやふきんは清潔ですか? 石鹸はありますか? 調理台の上は整理整頓ができていますか?
 ●井戸水を使用している家庭では、常に水質に気を配りましょう。
 ●調理する前後は必ず手指を洗いましょう。肉、魚、卵などを調理した後も必ず手指を洗いましょう、石鹸を使い、流水で十分に洗い流す事で、細菌汚染を防ぐ事が出来ます。トイレやおむつ交換・ペットなどを触った後も必ず洗いましょう。
   爪の中も雑菌がいます。爪ブラシなど洗うか、爪は切るなのどして清潔な状態を保ちましょう。
 ●肉や魚などの汁(ドリップ)が、果物やサラダなど生で食べる物や調理の済んだ食品にかからないように注意しましょう。
 ●生鮮の肉や魚を切った後、洗わずにその包丁やまな板で、果物や野菜 などや調理の終わった食品を切るのはやめましょう。よく洗ってから熱湯をかけたてから使いましょう。 包丁やまな板は、肉用、魚用、野菜用と別々に分けて使うことが理想です。
 ●ラップしてある野菜(キャベツ等)やカット野菜もよく洗いましょう。ピーマンなどの袋詰の食品も洗いましょう。
 ●調理する分を解凍し、解凍したらすぐ調理をしましょう。 解凍した食品を使わないからと言って、冷凍と解凍を繰り返す事は食材を痛め、食中毒菌が増殖する温床になります。
 ●包丁、食器、まな板、ふきん、たわし、スポンジなど、使用したらすぐに、洗剤と流水で良く洗いましょう。ふきんの汚れがひどい時には、清潔なものと交換しましょう。漂白剤に1晩つけ込むと消毒効果があります。包丁、食器、まな板などは、洗った後、熱湯をかけたりすると消毒効果があります。たわしやスポンジは、煮沸をすると効果的です。
                                         詳しくはこちらからTOPICS「除菌方法について」

 4.調理を始めてから 
 ●加熱調理する食材は十分に熱を通しましょう。中心温度が75℃で1分以上加熱が望ましいです。
 ●料理を中断する際は、そのまま室温で放置せず冷蔵庫へ入れ(加熱したものはある程度冷めてから冷蔵庫へ)、再び調理するときは十分に加熱しましょう。
  料理の基本の1つ「冷たいものは冷たく、暖かいものは暖かく食べる。」です。冷たいものは食べる冷蔵庫で冷やし、暖かいものは食べる直前調理を行いましょう。
 ●電子レンジを使う時は、電子レンジ用の容器とふたを使いましょう。調理時間に気を配り、乾燥した食品やスープ類は時々かき混ぜましょう。 スープ類は加熱中、カップ内での対流が起き難いため、突沸現象で火傷をすることがあります。
                                         詳しくはこちらからTOPICS「電子レンジについて」

 5.食事をするとき
 ●清潔な手で、食器類を用意して、ご飯類をつぎましょう。
 ●食事をする前には、必ず手を洗いましょう。 (流水だけではなく、石鹸などで雑菌を落としましょう。)
 ●温かい料理は温かく、冷い料理は冷たい状態で食べましょう。目安としては、温かい料理は65℃以上、冷たい料理は10℃以下です。
 ●調理した食品は、室温に長く放置せず、冷蔵庫へ移すようにしましょう。

 6.食べ残したとき

 ●残った食品を片付ける時も手を洗いましょう。
 ●残った食品は、清潔なお皿、タッパにて保存しましょう。又、温かい食品は冷めてから冷蔵庫に入れましょう。
 ●作ってから時間が経ちすぎた食品は、早めに廃棄しましょう。
 ●残った食品を再度、温め直す時は十分に加熱をしましょう。
 ●ちょっとでも変な臭いや味がしたら、食べずに廃棄しましょう。

 衛生管理の6つの手法は以上の考え方で成り立っています。